自分で車の整備をした事がない方が心配するのは、「整備士の資格必要では?」
自分の車の整備には資格はいりませんよ。
むしろ、自分の車を整備する事が義務付けられています。 道路運送車両法第四十七条
安心してブレーキを分解しましょう。でも、確実に直しましょう。
必要な道具
交換する前に必要な道具があるか確認します。
足りない物があると、交換が進まなくなります。買いに行こうとも車が整備中・・・では困りますからね。
タイヤ交換と同じ工具
ジャッキ 車載の物でも出来ますが、油圧のジャッキは作業性も良くなります。
レンチ クロスレンチ
車輪止め 整備をする場所の傾斜ぐあいや サイドブレーキのかかっているタイヤ 駆動輪に応じて用意します。ブロック等で代用できます。
整備に必要な工具
12㎜・14㎜・17㎜ のレンチ ブレーキパッド交換の場合スパナよりもメガネレンチが良いです。
マイナスドライバー
バール等 ピストンを戻すために使う
用意するもの
自分の車に適したブレーキパッド モノタロウ 安いです。
楽天やAmazonで車種名(形式等)+ブレーキパッドで検索する。一台セットでも3000円ほど
軍手
ウエス ティッシュペーパー 新聞紙
ブラシ 使い終わった歯ブラシ
あると便利
C型クランプ 出ているピストンを押し込むために使います。
ブレーキクリーナー ブレーキ周りにはダストがかなりあります。洗い流しておくと作業が快適です。使う時は下に新聞紙を重ねてひきましょう。
エアーダスター コンプレッサーのエアーを使ってブレーキダストを吹き飛ばします。
ジャッキスタンド 安全のために使います。
こだわりの品
鳴き止めグリス ブレーキパッドグリス 普通に交換してブレーキが鳴く事は少ないですが、あると心強いです。
トルクレンチ 適切なボルトの締め付けが出来ますが、パーツごとに締め付けトルクが違いますので調べなければなりません。私は使いません。
一般的な自動車のボルトの締付けトルクの値です。
自動車用のネジは普通のよりレンチサイズが小さくなります。(ボルトの頭の部分が小さい)
レンチ12㎜ M8 22N・m
レンチ14㎜ M10 44N・m
レンチ17㎜ M12 76N・m
交換方法
車をジャッキアップしてタイヤを外します。
タイヤはシャーシの下に入れてます。ジャッキスタンドを持っていれば使います。
エアーダスターでブレーキダストを吹き飛ばします。たくさんダストが出るので吸い込まないようにします。ブレーキクリーナーを使う時は、下に新聞紙を敷きます。
マイナスドライバー等を使ってピストンを戻します。テコの力を使います。
車種によって形状が違いますが、ドライバーの先でピストンが動く場所を探します。
裏にボルトが2本あります。その片方を外します。大体はどちらか片方で交換できます。
上下だったら下側、前後だったら後ろ側を外すと良い気がします。
ボルトは時計と反対回り(左回り)でユルみます。固い時もあります。締める時のためにこの力加減を覚えておきましょう。
裏側の作業になりますので、一生懸命に締めていたって事にならないようにしましょう。また、メガネレンチも、しっかり入っている事を確認しましょう。
持ち上げたパーツは「ブレーキキャリパー」外したボルトは「ブレーキキャリパーボルト」です。
このようにキャリパーを完全に開きます。こうするとブレーキパッドは簡単に取り外す事ができます。少し硬くなっていてもマイナスドライバーでディスクローターから浮かします。
この時、ブレーキパッドに薄い金属のシムが付いています。簡単に外れますので、同じように新品パッドに取り付けます。
内側のパッド 外側のパッドで摩耗センサーがあったりして、形状が違う場合があるので注意してください。金属シムも二枚重ねの場合もあるので、取り外すときに方向や場所を確認してください。
左 新品パッド 右 取り出したパッド まだ、使えたかも・・
ピストンを完全に戻します。バール等、テコの原理を使います。また、C型クランプを使うと簡単に戻せます。
新品の時は指の力で戻せたりします。あまりにも固いときはピストン固着も考えられます。
ブラシやエアーダスター ブレーキクリーナーを使って細かいホコリを落として、新品のブレーキパッドを組み込みます。
すべて戻します。ブレーキキャリパーが入らない時はピストンの戻し不足が考えられます。
外したボルトをしっかり締めます。緩めてないボルトも締まっているか確認しておきましょう。
タイヤを確実に締め付け、ジャッキを下ろします。
交換後
すべて交換が終わったら、真っ先にすることがあります。
ブレーキを何度も踏む。
エンジンを掛けなくても大丈夫です。踏めばわかりますが、最初はスカスカです。
戻ったピストンにブレーキフルードが充填されて、いつものブレーキの踏み心地になったら、ボンネットの中にあるリザーバータンクの補充量を確認しましょう。
ブレーキパッド交換でリザーバータンク内のブレーキフルードの量は増えています。あまりに量が増えすぎて規定量を超えていた場合、スポイトなどで吸い出した方が良いかもしれません。もし、あふれていた場合、水を大量にかけて洗い流します。ブレーキフルードは塗装を侵食させてしまいます。
最初の走行は慎重にお願いします。
最悪、サイドブレーキ・駐車ブレーキを使う気持ちでテスト走行してください。
ブレーキフィーリングが変わっている場合もあります。
ブレーキが鳴く
社外ブレーキパッドとの相性が悪い事もあります。もう一度、組み直しただけで良くなる事もあります。鳴き止めグリスなどを使う方法もあります。
その前に一度、バックしてのブレーキングも試してください。音が小さくなった事がありました。
おわりに
他人のブレーキパッドを交換してはいけません。
他の方の整備をするときは、責任問題が出てきます。整備士の資格が必要です。
タイヤ交換の際はブレーキパッドの量も確認しましょう。よく、一万キロ一ミリと言われます。
ブレーキパッドの残量を気にしていると、車検のための整備時に交換を勧められても断る事ができます。
整備の判断は2年間安心してブレーキを使い続けられるか、と言う事ですから。
ブレーキパッドの交換費用は前後で部品・工賃合わせると20000円ほどになるのではないでしょうか。今回はフロントのみの交換でしたが、部品代金1590円だけでした。
工具を持っていない方も、一度の交換だけで工具が買えちゃうかもしれませんね。
一度、チャレンジしてみる事をおすすめします。
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